行政不服審査法に基づく請求と従前の主張との矛盾

しゅんさん

2015年03月29日 17:14

1 行政不服審査法に基づく、審査請求及び執行停止申立は、埋立
 承認に対する 国の従前の主張と矛盾するものである。

1 国は、沖縄県知事に対する行政不服審査法に基づく申立につ
  いて、1事業者として、申立権限があると主張し、その立場は
、  国民と同一の立場であると主張している。

 2 しかし、公有水面埋立承認処分取消請求事件(平成26年 
  (行ウ)第1号事件)において、国が沖縄県をして答弁書で主
  張させているのは、次ぎの通りである。
答弁書提出当時、知事は、前知事仲井真であり、国から指定
  代理人の出向を求めていたのであって、その主張は国の意向に
  従ったものである。
そこでは、次ぎの通りの主張を行っている。
(1)公有水面は国の直接の公報的支配権に服するものであるか
   ら、これを埋め立てるⅡ当たって、都道府県知事の免許を必 
  要としない。
   ① 国以外の者がなす埋立の場合と異なって、埋立を為すた 
   めに、特に「埋立を為す権利」を取得する必要はない。
   ② 公有水面は、公共用物であり、国の直接の方法的支配管
    理に服するものであるから、公有水面をうめたてるかどう  
  かは、本来国の判断にゆだねられるべきものである。
 それゆえ、国が公有水面を埋め立てる場合には、公有水 
   面の管理支配を有しない国以外の者がこれを埋め立てる場 
   合とは異なり、免許により埋立権の設定を受けることを要
    しない。
  (2)法42条1項の承認は行政機関相互の内部関係である。
① 公有水面埋立法第42条1項が国において公有水面を 
    埋め立てる場合に、都道府県知事の承認を要件とした趣 
    旨は、「公有水面埋立法51条1項、地方自治法2条9   
    項1号により第1号法定受諾事務として都道府県がこれ  
     を管理するものであり、法は、国が公有水面馬立を行う  
    場合であっても当該埋立によって公有水面の管理上何ら
     かの支障を生じる門のであるか否かを、現に公有水面の
     管理を行っている都道ふけの判断を尊重し、その承認を  
   経させることとした趣旨である。」
② 承認を行わない場合、国は、公益の調整という観点
     から都道府県知事との話し合いによってこれを解決す 
     ることになるが、
話会いによる解決が出来ず、都道府県知事が法令に違
     反した不承認をしようとする場合には、
a 地方自治法245条の7に基づく国の都道府県知事
       に対する是正の指示
b 地方自治法250条の13以下の国地方係争処理委 
      員会による審査。
または、
   c 地方自治法第247条の8に基づく国による代執行 
    などの紛争解決手段が予定されている。
  法及び地方自治法が都道府県知事の不承認を抗告訴  
    訟によって争わせるとの立法政策をとっていない。
(3) 埋立承認は、外部に対する効力を有しない。
① 国は本来公有水面に対する支配権を有しており、こ 
     の支配権について埋立を行う権利をゆうしているので 
     あり、県知事の承認は、国による埋立について、都道 
     府県知事との管理上の調整の観点から行われるにすぎ 
     ず、国の行う埋立によって、漁業権者等の権利利益が 
     侵害されるのは、国がそもそも有している埋立を行う   
   権限の行使によるものであって、同項に基づく、承認     
   の効力によるものではない。
1 公有水面埋立承認に関する、国の考え方と矛盾。
 ① 公有水面埋立承認行為は、行政の内部行為である。
 ② 1号法定受諾事務であり、承認に関する争いは。抗告訴訟を
  予定しておらず、①是正の指示 ②国地方係争委員会
、③代執行の方法が予定されているにすぎない。
④ 本来、今回の岩礁破砕に対する県知事の停止命令に関しても、この手段をとるべきであり。
   行政不服審査法の適用は考えられていない。

 ③ 本来行うべき手法では、執行停止手段がないことから、審査請求を脱法的に悪用したものである。
    国は法令を遵守すべき義務がある。恣意的濫用は、法律の運用の体裁をとっても、法令を無視した
   ファシズムであることに変わりはない。
    解釈改憲といい、ご都合主義的な法令解釈がまかり通れば、民主主義の基本である、法の支配は瓦解する。