しゅんさんブログ

今日、「番号制度シンポジウムｉｎ沖縄（番号制度創設推進本部主催）にパネリストとして参加しました。

　反対は、弁護士からということで参加した私だけでしたが、聞けば聞くほど、危険で、絶対に作らせてはならないという
気持ちを強くしました。

　番号制は、税と社会保障の一体改革の一環として、国民に番号を付するというものですが、税も社会保障も、全く基本的理念も示されておらず、議論すらなされていません。
　その一方で、手段としての「番号制」だけが一人歩きしています。

　そもそも、プライバシー権は、公共の福祉のために制限できる　との考えを持つ人たちが、「番号制」の制度設計をおこなっているものであり、きわめて危険な制度になっていきます。

　国（民主党　内閣官房）　の　話を聞いて、実にむなしい、議論でした。

　住基ネットに反対してきた人たちが、たくさん参加されており、活発な議論がなされましたが、これに対しても、実に
　無責任な解答しかありませんでした。


　番号制によって、 国　にとって、都合のよい、国民管理手段のみが先行しています。　
今日の新聞にもでいますが、番号制を知らない国民が８割をこえています、
　　本質論に関する国民的議論を経ないまま手段のみが先行して進められることに、大きな危機感をもちます。

　本来、議論されるべきは、番号制の問題ではなく、その前提としての「税と社会保障」の問題です。

　番号制の導入により、番号で管理された過去の個人情報をもとに、個々人の生涯給付と負担を確認する仕組み。・・
　　・ 社会保障個人会計の導入の危険性が議論されています。
　　そうなると、本来社会的責任としての社会保障に、市場原理を導入することになります。
　
　単年度清算が可能になり、使いすぎた翌年には、保険料を値上げするとか、使いすぎた医療費には、給付を抑制するとか、例えば、末期医療には、限度額管理が行なわれる可能性もあります。
社会保障の社会的理念が失われ、すべてが個人主義、個人責任に流れてしまう危険性もあります。
　　保健医療制度そのものが、瓦解していく事になってしまいます。
　　本当は、このようなシンポには、保険医療を行なっているお医者さんたちなどからも意見を吸い上げるべきだと思います。

　ところが、このような危険性の指摘に対して、推進本部は、そのようなことは考えていない、社会保障は、社会の責任であると考えている、　と答えています。

　しかし、民主党政権がいつまで続くとおもっているのでしょうか。
　
　今、劇場型の政治家たちが、マスコミでももてはやされています。彼らが、社会保障個人会計の導入をしないといえるのでしょうか。　現に、経団連は、社会保障個人会計の導入を求めています。

　名寄せの対象が、どこまで広がり、一元管理の対象となるかすらもわからないのです。

　私たちは、民主党政権の誕生により、劇的に国民のための政治がはじまると大きな期待をもってきました。
　しかし、　民主党政権は、　「官僚のための露払い」　　政治を行うだけの、理念のない集団であったのでしょうか、
　
　背景にあるべき、税と社会保障に関する議論もないまま、手段としての番号制　が官僚達に与えられます。
　実に使い勝手のよい、国民管理のツルー　を官僚は持ってしまうことになります。

　個人情報を一元管理する手段を作り上げていく、番号制度に反対しましょう。
　作られる前につぶさなければ、作られてしまえば、制度が一人歩きを始め、肥大化していく危険性を感じます。

　高校生の子に　全国民に番号をつける　と話したら、まるで、家畜みたい　といっていました。

　プライバシーは、個人の尊厳にかかわるきわめて重大な権利であり、その管理が国において行われることを受け入れることは、国民が主権者としての尊厳を放棄することになります。

　共通番号制に関心をもち、その成立を阻止しましょう。