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2017年03月20日
沖縄・山城裁判は、「刑法と戦争」で指摘される刑事裁判における、戦争への道を示している。
沖縄・山城裁判は、「刑法と戦争」で指摘される刑事裁判における、戦争への道を示している。
今の時代を知るためには、この本を読み解くことが不可欠です。
勾留決定に付された「接見制限」をうけて、検察官は、弁護人が、事件とは直接関係のない、辺野古、高江の闘いに対する不退転の決意をマスコミに伝達したことに対して、「接見制限」をどう考えているのか、どのような方法でインタビューを伝達したのか明らかにしろとの質問を弁護人に対して繰り返してきた。
接見制限は、被疑事実に対する証拠隠滅を防止するための制度にすぎず、被拘留者が社会的発言を行うことを禁止するものではなく、社会的発言をすることは、憲法上認められた表現の自由に属するものであって、弁護人がこれに助力をすることは当たり前の弁護人の権利であり、義務である。
検察官からの「質問書」という形式の弁護人に対する威迫は、その背景に「懲戒申し立て」もあり得るぞといった威迫であり、弁護人の足を止める有効な手段と考えているのだろう。
保釈請求に対して、検察官は、証拠隠滅の恐れがあるとして、① 被告人が黙秘をしている。② 弁護人が、裁判所に検察官が申請した証拠に不同意をしている。ということを根拠とした。憲法上認められる、黙秘権の行使、弁護人の刑訴法上の権利の行使が、証拠隠滅の可能性の根拠であるという、異常な検察官の対応である。
最近の刑事裁判は、人質司法と言われるように、検察官のいいなりに、自白し、有罪を認めなければ、長期にわたって身体を拘束されるということが常態化している。
30年前の司法修習に対して、修習担当検察官は、自分たちが泥をかぶるから、裁判官は、安心して有罪判決をかけると述べていたが、人質司法の実態を示す言葉である。
次回、警察官、防衛局職員の承認調べが予定されているが、検察官は、証言にあたって、被告人と傍聴人とどちらからも見えないように遮へいをするように求めてきた。
公務員が公務として知り得た事実を公開の法廷で証言する際にも、外貌を隠せとの要求である。
警察官、防衛局職員が現場で、サングラスとマスクと帽子で顔を隠し、弾圧を繰り返していると同じように、裁判で証言する際には、公務員の外貌を隠せというのである。
裁判公開の原則を否定する異常な事態である。
国が刑事裁判に何を求めようとしているのか、山城事件は、多くの問題を提起している。そしてその背景には、「刑法と戦争」で指摘している、刑事裁判、刑法の戦争への道を具現していることが読み解ける。
刑法と戦争:みすず書房
『刑法と戦争』の書誌情報:今の状況は昭和3(1928)年に似ている。この年、議会制の下で「治安維持法」が改正され、以後、猛威をふるった。3年後に満州事変が勃発、「法の支配」が換骨奪胎され、日本は戦争に突き進んだ。
Posted by しゅんさん at 19:01│Comments(0)